ニコニコ動画におけるVOCALOID動画とコメントについて。

今回はニコニコ動画でのVOCALOID動画につくコメントについて考えたいと思います。

ニコニコ動画の動画サイトとしての最大の特徴といえば、
ご存知の方も多いと思いますが、動画再生中に流れるコメントでしょう。

ニコニコ動画においてこのコメントは
動画の雰囲気、トップへの浮上と重要な役割をもっています。
コメント内容次第では動画の面白さがプラスにもマイナスにもなります。

VOCALOID動画(曲メイン)の特徴としてはコメント率が低いことがよく挙げられています。
まずはこのあたりから考えていきましょう。

コメント率というのは再生数あたりのコメント数で
要は動画をみた人が1再生中に何回くらいコメントしたかということを表しています。

VOCALOID動画と他の動画のこのコメント率の差はどこからきているのか。
動画中でコメントをするポイントを考えて見ます。


コメントのポイント

1.動画全体に対する感想
2.再生時間の動画内容に対する反応
3.コメントアート
4.動画内容の補足(解説等)
5.他のコメントやコメントアートに対する反応
6.動画投稿者へのメッセージ


ざっと書きましたがこんなもんだと思います。

1〜4は動画があってこそのコメントですが
5,6は動画ではなく、他のコメント投稿者に対するコメントとなり、動画本来の内容とは関係ない場合も多くなります。

コメントする人の大半のコメント内容は1か2ではないでしょうか。
動画の瞬間瞬間に反応するポイントがあれば必然的に2は増えていきます。
逆にそういったポイントがなければコメントがついても1のみということが多いです。

曲メインのVOCALOID動画に関して言えば1のみに終始してしまうことが多いように見受けられます。
有名な作者の場合は6が含まれてきますね。
ネタ要素や、視聴者を意識して作られた動画の場合は2のポイントを多く取り込み
視聴者がコメントをしやすいような作りがしてあります。

VOCALOID動画ではなぜ1が多く2が少ないのかというと
音楽がメインであるということが挙げられると思います。
この傾向は静止画一枚の場合強いかもしれません。


例えば、曲のワンフレーズが約10秒だとします。
10秒だけフレーズを聞いて、何か感想なりコメントなりを残したいなと感じる人はどれほどいるでしょうか。
逆に10秒の何かしらの動画をみて感想なりコメントなりを残せる人は多いと思います。
CMなんて15秒ですからね。
あと、曲の構成について云々などは素人の普通の人にはなかなか発言しにくいのもあるかもしれません。
映像についてなら普通の人でもいろいろ言いやすいんですけどね。


音楽と映像では同時間あたりに占める情報量の違いが出てきます。
これがコメント量の差となって現れているのではないでしょうか。


音楽メインの動画においてコメントが多く付くもののコメント内容の多くは

弾幕(特定ポイントでのコメントの集中投稿)
・歌詞
・特定のお約束(コメントアート等)

といった要素が絡んでいます。
さらに言えば、視聴者が参加できる雰囲気をもったものですね。


初期のVOCALOID動画と現在のVOCALOID動画での違いに歌詞表記の有無があります。
これもコメント量に影響を及ぼしているなと自分は感じています。

VOCALOIDは慣れない人には歌詞が聞き取りにくいため
初期の一枚絵のVOCALOID動画には歌詞をコメントでつける人が多くいました。

歌詞コメントの表現に長けた人は歌詞職人と呼ばれ、動画を彩る効果もありました。

しかし、歌詞をつける人のいない動画では歌詞が分からず歌が聞き取りづらいため
視聴者が動画投稿者に対して動画に歌詞をつけることを望むようになります。
投稿動画の増加に伴い、動画編集技術の向上により、一枚絵の曲動画にも予め歌詞が付くようになりました。
これにより、歌詞職人以外の人がコメントで歌詞をつけることがなくなったわけです。

動画としては充実したのですが、視聴者の参加する余地が一つなくなったわけですね。


コメントが多くつくことの最大のメリットは動画の雰囲気もありますが、荒らし対策だと自分は思っています。
現状のVOCALOID動画はコメント数の少なさから、荒らしに対してかなり弱いようです。

過去の有名な弾幕曲はコメント量の多さから、荒らしコメントを流すことができていますが、
最近の弾幕曲ではない、コメントが付けづらい曲の場合は荒らしコメントを流すことが出来ていません。
運営への通報により対処してもらえますが、荒らしコメントが残ったままだと動画の雰囲気は一気に悪くなります。

そうなると、初めて見る人などはなんだこの動画ってな具合に引いてしまうわけです。


・音楽という題材
・完成度が高くなり視聴者が参加しにくくなった動画

皮肉にもこれらの要素がコメントを付けづらくしているように感じます。


久しぶりなので、文章が上手くまとまりませんでしたが、今日のところはこの辺で終わりたいと思います。