高専の建築系の内容ってこんなんでした。

高専ってすごい! 情報工学を体系的に学ぶために高専でやってきたことをまとめる。 - nigoblog

高専はすごいかも知れないが行くのは止めておいたほうがいい - 下林明正のブログ


はてな高専ネタが珍しく注目を集めているので便乗ってことで久しぶりに記事を投稿。


上記2名は情報系の学科卒らしいので、別の学科・別の高専卒業者の視点からということで。
参考事例は多い方がいいと思うのでケーススタディの一つとして受け取ってもらえばと思います。



自分が通っていた高専高専としては珍しく女性が3割いたので世に聞く高専像とはまた違うかもしれません。
といっても学科によって男女比が激しく、まったく女性がいない学科もあれば7割が女性という学科もありました。
自分が在籍していた建築の学科では男女比が5:5で野郎だらけの高専生活ってイメージはあまりありません。


まー、以下に1学年毎に当時の建築系の専門科目と学校・学年の雰囲気を述べていきましょう。
入学時に貰った授業要目をひっぱりだしてきました。
以下に単位数を書いていますが当時の高専は90分授業1年で2単位だったので1単位のものは半期しか授業がなかったと思ってもらえればOKです。


1年目
前期に建築系の専門授業がほとんどなく不満が貯まる新入生。
後期になりやっとそれらしい授業が始まりテンションが上がる。

  • 工学基礎Ⅰ   1単位
  • 工学基礎Ⅱ   1単位
  • 情報処理基礎  2単位
  • 建築設計演習  1単位
  • 造形      2単位


工学基礎Ⅰ
自分の専門学科以外にも他学科の大雑把な内容が講義される。


工学基礎Ⅱ
自分の専門学科の大まかな分野について講義。建築なら計画・構造・環境・生産について。


情報処理基礎
パソコンについて。ワード・エクセルも実技を踏まえて学習。簡単なプログラミングも。


建築設計演習
所謂、製図(手書き)。基本的な図形を描かせて道具になれるのと、設計図面をトレース(真似)させて設計図面自体に慣れさせらる。
この授業が後期になるまでないので不満が貯まるわけです。


造形
図工みたいな感じ。同一形の折り紙で立体物を作ったり、ブーメラン(木製)を作ったりした。飛び出す絵本みたいな立体絵を作った記憶もある。


2年目
若干専門授業が増える。うちの高専ではこの学年だけ全学科混合クラスでした。
専門授業のときだけ各自自分の専門授業の教室へ移動する形式。
クラス内は男子だらけの学科の集団と女子だけの集団、どちらにも混ざってない男女混合(小数)、オタク組(カードゲームやったりしてる)、その他に分かれてました。


工学基礎Ⅲ
1年目の工学基礎Ⅰがもうちょっと専門分野に入り込んだ感じの授業。
他学科のものを実験させたり体験させるものが多かった。


建築構法Ⅰ
木造建築、鉄筋コンクリートのラーメン構造とか壁式とか構造的なルールを学ぶ。


建築設計演習Ⅱ
テーマを与えられてそれに対して初めて自分で自由に設計をし図面を書いていく。木造建築。
建築構法Ⅰで獲得したルール(柱間のスパン距離等)を駆使。
有名建築家の建築物への見学もこの授業内で行われた。


コンピュータリテラシー演習
またまたワードとかエクセルとか。ブラインドタッチとかやらされました。


建築デザインⅠ
実習・課題メイン。建築写真を鉛筆でトレースをしたり、無彩色の絵画や挿絵に色付けを行ったり。


3年目
1・2年生の一般棟を離れ、4・5年生のいる専門棟へ。高校生なら最高学年だが棟では下っ端。全学年でも中堅に過ぎない。
専門授業がぐっと増える。と同時に3年修了を考えている学生とそうでない学生のやる気に明確に差がでる。
自分のときは3年修了を早々に決めているやる気のない人(6〜8人)の私語が酷く5年間の中で学習環境としては一番酷かった。

  • 応用物理学 3単位
  • 住環境計画 2単位
  • 日本建築史Ⅰ1単位
  • 環境工学Ⅰ 2単位
  • 構造力学Ⅰ 2単位
  • 材料力学  2単位
  • 建築材料  2単位
  • 建築設計演習Ⅲ 3単位
  • 建築構法Ⅱ   1単位
  • 建築創造演習  1単位


応用物理学
所謂物理。内容は普通の物理とあまり変わらないと思います。
1年目、2年目でも一般授業として物理はあったのでその延長みたいな感じでした。


住環境計画
住宅をメインとした建築計画の授業


日本建築史Ⅰ
社寺建築について。日本に古くからある木造建築についてですね。


環境工学
最初は日光(日当たり)について大きく時間が割かれてた記憶があり。後は温度とか湿度とか。雨とか雪の荷重とか。


構造力学
ひたすらモーメント図を書く演習をしてた記憶しかない。


材料力学
材料内での力の働き具合とか。H型鋼とかもやってたので建築の材料力学な内容でした。


建築材料
木材とかコンクリートとかについての講義。


建築設計演習Ⅲ
2年目の延長上で各自テーマにそって自由に設計を行うのだけど敷地の下見に行ったりと具体性が増す。
高校生を対象としたコンペに参加したりも。この学年からプロの建築家が講師として参加。


建築構法Ⅱ
ビル等大規模建築で使われる構法等の授業。建築現場で実際にどうやって建てらていくのかという内容。


建築創造演習
接着剤とパスタだけで1.5mほどの橋を作って、一番重い荷重に耐えきれたチームが優勝。
力学的なものを体感で分からせる為だとか。トラス最強の記憶がある。
あと、絵本作ったり。


4年目
制服から私服へ。高校からの編入生も参入。
内容は大体もうほとんど専門授業。得意不得意が明確になり計画系なのか構造系なのか
後期に研究室が決定し触り程度の卒業研究が開始。また、実験・実習が増えてくる。

  • 西洋建築史 1単位
  • 都市計画  1単位
  • 都市設計  1単位
  • 鉄筋コンクリート構造 2単位
  • 鋼構造        2単位
  • 建築設計演習Ⅳ    6単位
  • 卒業研究       1単位
  • プログラミング演習  1単位
  • 応用数学       2単位
  • 建築デザインⅡ    1単位
  • 建築計画Ⅰ      2単位
  • 日本建築史Ⅱ     1単位
  • 環境工学Ⅱ      2単位
  • 構造力学Ⅱ      2単位
  • 材料実験       1単位
  • 建築法規       1単位
  • 建築実験実習Ⅰ    1単位


西洋建築史
西洋の建築史。古代から始まりゴシック等教会建築やらの作りについて。


都市計画
動線やら人の動きやら都市のなりたちやらの講義。


都市設計
実習、地元の街起こし的なテーマだった。


鉄筋コンクリート構造
鉄筋コンクリートについて全般。特徴、種類や製造方法など。


鋼構造
鋼について全般。特徴、種類、製造方法、組み方等。


建築設計演習Ⅳ
手書きではなくCADで演習を行うようになる。RC(鉄筋コンクリート)造の設計・製図。
コンペへの参加。駅の設計など。


卒業研究
後期より研究室を決めて行われる。1単位なので5年生の手伝いみたいな感じ。


プログラミング演習
C言語をやった記憶が。ほとんどやる意味がない。


応用数学
数学の延長。


建築デザインⅡ
建築模型を作った以外なにかした気がするけど記憶がない。実習系。


建築計画Ⅰ
病院や駅など住宅以外の建築物についての建築計画。(3年生までは住宅しかやっていない)


日本建築史Ⅱ
Ⅰで社寺建築をやったので、住宅や城等社寺建築以外の日本の建築物について。


環境工学
音環境や明るさ(照明)環境について。


構造力学
ラーメン構造のモーメント図書いてた記憶しかない。3年生のときより講義はあったはずだけどモーメント図書いてた記憶しかない。
クラスの7割がテストで赤点になった唯一の教科だった気が。


材料実験
鋼の圧縮破壊とか、材料を壊すような内容の実験。


建築法規
法規を触りだけ。設計する上で守るべきところを軽く触っただけで詳しくはやっていない。


建築実験実習Ⅰ
グループに分かれて実験テーマ毎にコンクリートをこねて作ったりそれを壊したり、外に出て重労働が多かった気がする。


5年目
最高学年。就職、受験、卒業研究やらで完全に計画・構造、研究室毎に分かれる。
でもやっぱりこの学年になってもほとんど毎日8時限。

  • 外書購読 1単位
  • 卒業設計・構造設計演習 4単位
  • 卒業研究 8単位
  • 建築計画Ⅱ 2単位
  • 近代建築史 1単位
  • 建築設備 1単位
  • 構造計画 2単位
  • 基礎構造 1単位
  • 建築測量 1単位
  • 建築生産 2単位
  • 建築実験実習Ⅱ 1単位
  • 建築設計演習Ⅴ 3単位
  • 建築設計論・構造力学特論 1単位
  • 建築設備計画演習・構造設計特論 1単位
  • 都市解析・建築材料特論 1単位
  • 建築デザイン演習・建築振動学 1単位


外書購読
英語建築専門書籍の訳。研究室単位で行われた。


卒業設計・構造設計演習
どちらか一方を選択。自分は計画系なので卒業設計を行った。
自分でテーマを決めて調べて設計、それから学科全体で発表。


卒業研究
字のまんま。卒業前に学科全体で発表。


建築計画Ⅱ
劇場・学校について。基本的に建築計画の授業は設計演習で設計する内容のものが行われていた。


近代建築史
明治〜昭和にかけての日本建築について。


建築設備
エレベーターや空調設備、配管等について。


構造計画
これもモーメント図書いてた記憶があるけど、それ以外に何してたっけ…。


基礎構造
建物の基礎部分についての講義


建築測量
測量の方法について。


建築生産
建設会社がやってるような大規模構法とかあの辺りについて。


建築実験実習Ⅱ
Ⅰと似たような重労働系が多かった印象。測量の実習もこの中で。


建築設計演習Ⅴ
劇場建築の設計を行った。


建築設計論・構造力学特論
建築設備計画演習・構造設計特論
都市解析・建築材料特論
建築デザイン演習・建築振動学
計画系、構造系でどちらかを選択。内容は4、5年時の似たような科目の内容を深めたような感じ。


長い!科目並べるだけで相当時間を食いました。
全体的な専門の内容について。
専門の内容はしり上がりに増えていきますが、4年後期の時点で計画系(環境系)・構造系に明確に分かれます。
また、設計演習の前に建築計画で考慮すべき内容の講義が行われた上で演習に入るので初めての建築物でも割とそれなりのものが設計できます。
一方で、構造やら力学的な講義を受けた上で設計に入るので、柱のスパンやら既存の枠にとらわれがちになるのが悩みでした。
設計してて、それだと構造的に持たないだろという考えが先行してしまって芸大のデザイン系みたいな奇抜なことがやりにくい方向に行ってしまう。
よく言えば実戦的・堅実なんでしょうけどね。


CGを駆使したような授業は5年生の建築デザイン演習で3Dソフトを扱うくらいでした。
自分たちのときは4年生のときに先生の勧めで自分を含めた数名がイラストレーター・フォトショップを扱い出し
5年生のときには計画系の学生はほとんど使えてました。(学校のパソコンにイラストレーター、フォトショップがインストールされてました。)


ただ、田舎の交通の不便な場所にある学校だったので魅力的な建築物にいかに多く触れるかという点ではかなりきつい条件でした。
その空間を体験し自らの血肉にするという点では、それらの素材が数多く集まってる都市部の大学に軍配が上がるかなといったところです。


高専の環境等はまた後日詳しく述べます。

週刊ニュース深読みの初音ミク特集の放送後のご意見から読み解く初音ミクの10代ファン

どうも、またまたお久しぶりです。
前回の記事から半年ですね。


今回は面白そうなネタが入ったのでご紹介。
2月4日のNHKのニュース番組「週刊ニュース深読み」にて初音ミクについての特集が組まれました。
この番組、放送後に番組内容についてのご意見募集ということで意見募っており、さらにその意見をサイト上で閲覧することができます。
さらにこの意見には、性別、年齢(年代)、在住都道府県が付いてきます。


そのページがここ
週刊ニュース深読み放送後の感想


※2/18訂正
自分が集計を行ったのはご意見募集の方でした。上記は感想のページです。
週刊ニュース深読み次回テーマへのご意見



ほう、ということで集計してみました!
というかtwitter上で10日前にやったネタを今回ブログにまとめてみるかってことでやってるだけなので

集計期間は放送直後の2月4日8:30〜2月6日22:00で、63意見になってます。

あれから10日以上経ってるんだからもうちょっとサンプル数増やせよって話ですが、
意見の要約とかやってめんどくさくて、もうやりたくないんですよねー。


まぁ、さっそくデータを出していきます。
まずは63意見の男女比、年齢構成のグラフです。




見て分かるように10代多いです、というか10代女性がすさまじい。
初音ミク」だけの特集だったので他のVOCALOIDのファン構成までは分かりませんがとにかく10代女性って感じ。
情報としてはありましたけど、自分の知り合いに10代年齢層のVOCALOIDファンはいなかったので結構貴重です。


次に意見を要約してみました。
http://bokasachi.natsu.gs/file/hukayomi.htm

※番組放送直後2/4 8:30からの意見を集計。N=63
性別 年代 内容
女 1 テレビに取り上げられ今まで以上に期待                            
男 10 ミクは世界に誇れる、紹介ありがとう                            
男 10 ミクが好きだけどオタクに見られてしまう。だから世界に認めらたのがうれしい                      
男 10 誇れる日本の歌姫。曲がいいので人気が出るのは当然。                        
男 10 Youtubeで大量に削除されてる。陥れられたくはない。                          
男 10 様々な人が作曲しているてその人その人の個性があるから良い。                        
男 10 3年前は名前だけで批判を受けていい気はしなかった。今は世界的に人気が出てきてうれしい。                  
男 10 自由に曲が作れて、幅広くいろんなジャンルの曲が聞ける、様々なボーカロイドがいるので人気になったのでは。                
男 10 自分でVOCALOIDにて作曲をしている。機械やオタクっぽいと非難の声もあるが曲を作るのは人間、いい曲もある。                
男 10 曲を聞くたびに勇気が湧いたり気持ちがやわらいだりする。もっとミクの曲が広まることを祈っている。                  
男 10 自分の学校ではそこまで有名ではないが、曲を聞いていると心が落ち着いて冷静になれる。                  
女 10 ありふれてない、探せばいい曲が見つかる                            
女 10 機械だけど声が変えられるので感情が伝わるのではないか。そこが海外から評価されてるのでは。                  
女 10 斬新な歌声やメロディもあるが、一番は誰でも創作に関われる点が良い。                      
女 10 キャラクターより曲が好き。自由にいろんな人が歌える点が魅力では。                      
女 10 他のJPOPと違う                                
女 10 3年前に知ってから好き。救われる曲が多くある。                          
女 10 小学生のときに聞き始めたが共感する曲が多かった。人気がある曲ない曲どちらでも心に響く。                  
女 10 以前は名前だけ知ってるオタク向けのキャラだと思ってた。友人の紹介で綺麗な声と可愛らしい外見で好きになった。              
女 10 小・中学校でVOCALOID楽曲を流すのはPさん達も嫌なのでは?小中学生は校内放送で自重するべき。                
女 10 もう生活の一部。カラオケでいつも歌う。ボカロのおかげで友人が増えた。                      
女 10 ミクが好き。番組に出してくれてうれしい。もっと気に入ってほしい。                        
女 10 みんなが歌を作って聞けるから人気になったのでは。今は人間とロボット関係がなくなっている点も大きい。                
女 10 悲しいときに元気をくれる。楽しいときにもっと楽しくしてくれる。                        
女 10 初音ミクのおかげで友達が増えた。創作意欲が沸きあがってきた。                        
女 10 喜怒哀楽を乗せやすい曲が多いので好き。もっとボカロがみんなに認められて欲しい。                    
女 10 3年前から聞いている。世界で知ってもらえてうれしい反面、さみしいかんじもする。                    
女 10 友達が増えた。ボーカロイドは人と人とのつながりを作っているのだと思う。                      
女 10 いろいろなジャンルの楽曲がある。ボーカロイドの声質も良くなっている。涙を流したのは数えきれないほど。                
女 10 「ローリンガール」を聞いて音楽に興味を持った。                          
女 10 最初は初音ミクが嫌いだった。曲をきいてみたらどれもすごくて大好きになった。                      
女 10 共感できる曲がたくさんある。ボカロPが一生懸命作った曲は素晴らしい。もっとたくさんの人に初音ミクを知ってほしい。              
女 10 たくさんの曲の中の思いや気持ちを受け取り感動していることが多くある。                      
女 10 初音ミクに出会い前向きになった。初音ミクの歌には人を変える力がある。                      
女 10 年を取っても声が変わる心配がないから人気なのか?機械音だからこそという曲もある。皆に評価されていくのを見ると嬉しい              
女 10 つらいとき、楽しいときミクの音楽がそばにいる。世界に広がってもっと好きになってもらい他の人にも楽しい・元気な気持ちになってほしい。          
女 10 作り手によって質は変わるが幅広い年代に受けている。以前機械音だとバカにしていたが曲のメッセージに引き込まれた。思っていることを自由に曲にできるのがミクでは。      
女 10 人間のアイドルの代わりと見なしているわけではない。曲+動画+キャラクターを楽しんでるだけ。                  
女 10 フカヨミ良い曲。世の中が初音ミクを受け入れてくれることに期待する。                      
女 10 言葉は通じなくても音楽で気持ちは伝えられると思う。これをきっかけに日本を理解してくれようとする人も(海外には)たくさんいるはず。            
男 20 サブカル産業は長期継続できる状況にない(労働環境)                          
男 20 合成音声だと知って驚いた。弟が中学生の頃校内放送で流して良いか会議があった。高校ではクラスの多くが好意的に捉えてるらしい。            
男 20 踊りや歌ってみた等の新しい想像が日本を創っていくのではないか。                      
男 20 CD産業が衰退する中、日本のアイドル文化が最後の泉。収益が最大の武器であるのも然り。偏見があったのは残念。              
男 20 作曲者の数だけ音楽性があり、どんな曲でも歌ってくれる。そこが非常に面白いところだと思う。                  
女 20 曲がっても歌に自信がなくて発表できない人にはうってつけ                        
女 20 どんどん世界で取り上げられてうれしい。もうオタク文化だけの領域ではない。好きな人も嫌いな人もいるので分別を。              
女 20 様々なクリエイターがいることで同じミクでも違うミクになるところが魅力。どんな曲が好きな人でも自分好みの曲を見つけられる。            
女 20 オタク文化を好意的に紹介してもらい嬉しい。彼女は少女の形をした年齢も性別も国境も隔たりない楽器。                
女 20 関わる人間に制限がないからこそ多くの人の小さな思いが煉り込まれて多くの人を魅了するのではないか。                
男 30 クリエイターの集い繋がりを齎したことが素晴らしい                          
男 30 個人で制作されてるところがポイント。トップダウンでなくボトムアップ型。                      
男 30 ネットに通じている人にしか知られず残念。もっとテレビで取り上げて欲しい。                      
男 30 ネット上でいろんな人の目に留まり新たな創造に結びついていく。和歌でやってきたことの今風では。PopStarの要因は好きが原動力のアマチュアの世界だったからが大きい。    
女 30 2007年から聞いている。押し付けではない同じ目線のライブ感が受け入れられている根本。もっとたくさんの人に広がっていけばいい。            
男 40 多くの人が「私が育てた(ヒットさせた)」と自負、私の娘と思いこむことができ長く愛されてるのでは。                  
男 40 ブラジルのリオデジャネイロ、コスプレ大会にて飛び入り参加の部にて5歳の女の子がそっくりで1位だった。                
女 40 中学生の娘が友達とカラオケにいったらほとんどボカロ曲ばかり歌っていたそうだ。                    
女 40 同じ札幌市民として世界に恥じない素敵な女性だと思う。                          
女 40 高校生の息子が聞いていたのを横から聞いたのが初聞き。合成音声には最初ひいたが、アーティスト達の才能が豊かなことに驚いた。なんじゃこりゃという作品もあるが日本の文化の深さにくらくらうする。
男 50 動画サイトで初期から聞いてる。CDは400枚以上購入し毎日聞いている。由紀さんとはいい質の声という点で共通。              
女 50 車の中ではボカロばかり聞いている。子供より詳しいのでときどきあきれられる。                      
男 60 還暦過ぎ。彼女のクラシックは良い。          

前置きのデータが長いですがここからが本題。
上記をまとめながら思ったことが書いていきます。


総じて年齢が若い方が曲そのものに言及していることが多かったです。
年齢層が高いとVOCALOIDを取り巻くシステムやら環境やらって方向の意見が多いのですが
それに対して10代の意見は曲に感動したとかミクロな視点の意見が多めなんですよね。


特に今回注目したいのは10代女性に多かった
「共感できる曲が多い」、「(初音ミクのおかげで)友達が増えた」って意見です。
付随して「オタクっぽくて初めは嫌いだったけど友達に紹介されて曲を聞いてみたら好きになった。」ってなんてものも数件ありました。
これらの意見を見て、あれ?どこかで聞いたことのあるような意見だなって思った方はいませんか?
自分は真っ先に10代の頃に特定の歌手のファンだった子が言ってたようなことと同じだなと思いました。


つまり何が言いたいのかというと、少なくとも10代女性にとってVOCALOIDの人気があるというのは
VOCALOIDそのものの特殊性じゃなくて時代の歌手が人気を得ていたのと同じような理由なんじゃないかということです。
世の中星の数ほど曲はありますし、商業曲のマーケティングでは共感が意識されてるようですから共感の部分は商業曲でもやってるとして
結局のところ「友達が増える」かどうかが大きな要素になっているように思います。
要はその曲を知っていることで友達が増えるのならば10代にとってその曲の価値は跳ねあがるのではないかということですね。


他に商業曲はたくさんあるのになぜVOCALOID楽曲なのかってことになると
たまたま10代が覗く(発見する)場所にVOCALOID楽曲があった、そういうことなんだと思います。



それからこれらの意見を見てもう一つ気が付いたことがあります。
「共感」というフレーズが多用されているんですが、これって10代はものすごく真剣に歌詞を見て考えて読んでいるんじゃないかということ。
そうじゃないと中々「共感」って出てこないと思うんですね。
また、インスト曲の感想では10代のフレーズとして「共感」とは中々出てこないかと思います。
楽曲に歌詞が付くことによるヒット性に改めて気づきました。
自分なんかは元々人間歌唱の曲よりインスト曲の方が好きなのと、歌詞も音として耳障りものを選びがちだったのでこの視点は新鮮でした。


まー、この結果を見て思うのは10代にはそりゃーキャラソンものは受けないだろうなということですね。
んじゃ、なんで初期はキャラソンものが受けたんでろうと思うとVOCALOIDの歴史・キャラクターの蓄積の部分が受けてたのではないかなということです。
蓄積を持ってる人ってその分野に一定の期間眺めてた人だと思いますし、それが共通項としてのハブになってたのかもしれません。


蓄積がある人は蓄積に共感し、蓄積がない人は曲に共感する。
こんな感じの印象をもった次第でした。


短いですけど今回はこんなところです。 

VOCALOID楽曲で作曲者に目がいく条件について

どうも、お久しぶりです。
ボーカロイド楽曲において、作曲者(P名)を気にする条件ってのをつらつらと書いていきます。
この辺りのことについてはtwitterで話題が出る度に言ってたりするのですが、
まとめて書いたことはなかったのでここら辺りで載せておきます。


1.楽曲の多さ


ボーカロイド初音ミク)を単一の歌手として見た場合に、持ち歌の数が通常の歌手・グループに比べて
多すぎるってのがまず一つ目の理由として考えられます。

デビュー22年のB'zの楽曲が300曲ほどらしいので、単純に計算して1年で新曲が約14曲でしょうか。

一方、ニコニコ動画で「初音ミクオリジナル曲」タグで検索すると約3万件出てきます。
約4年でこの数字なので、1年で約7500曲。
1日20曲ほどオリジナル新曲が発表されているペース。
この比較だけでも通常の人間の歌手と比較して圧倒的な持ち歌楽曲数なのが分かるかと思います。

2.歌手名による管理の役に立たなさ。


当然、全部聞ける人なんてほとんどいないでしょうから1日1曲新曲を聞いたとして5%。
トータル3万件に対して、1500曲聞いて曲を知っているとしましょう。

はい、ここで問題。
あなた、整理も何もせずに1500曲全部覚えられます?(B'z100年分。)


多分、無理だと思います。
いざ覚えようと思うのなら、歴史やら英単語のテストのときのように何かに紐づけて覚えるでしょう。
歌手による分類「初音ミク」を使用した上でこの曲数ですから。
iTuneの画面をイメージしてもらうと分かりやすいかと思いますが、
1500曲のアーティスト名を全部初音ミクにした。さて、これで曲が探せるかと。
というわけで次に出てくるのが作曲者による分類なんじゃないでしょうか。


初音ミク使用の作曲者が仮に2500人(ボカロ投稿者5000人のシェア5割近く)だとして、1人約12曲発表。
1500曲分なら125人の作曲者数です。
いきなり1500曲頭にぶち込むよりも125人に紐づけてからの方が記憶できそうな気がしませんか?


と、まぁ、こんな具合でボーカロイドにハマっていく人は作曲者に目を向けるようになるのではないかというのが
自分が考えるところです。


友達もボーカロイド曲を聞くのだけど、P名(作曲者)に詳しかったら全然ついてこれなくて引かれたなんて話を聞きます。
これって多分ですね、上記の視点で言えば、その人が知ってる曲数が少なくて初音ミクって分類だけで十分に事足りるからなんだと思います。
通常の歌手の場合、歌手名だけで覚えきれないほど曲が出てくるってことはありませんからね。
聞き手側が普通の歌手が発表する曲数以上に、曲を吸収・消費しようとした場合に起こす
記憶の最適化が作曲者・P名を知るということに結びついているのではないでしょうか。


現行、そのような記憶のオーバーヒートをするほどボーカロイド楽曲を得れる場は
ニコニコ動画YouTubeくらいかと思います。
これらと比較するとゲームや商業CDで得られる楽曲数はたかが知れてますので、
その辺りで作曲者名を知っている知らないの差が生じるのではないかと思います。



追記


これはあくまでも作曲者なんて気にしてなかった視聴者が作曲者名を気にするようになるまでに至る条件を書いたものなので
特定の作曲者の人気が出る出ないとかいう話ではありません。


続きとして、カテゴライズの主従(ボーカロド名を先に絞り込むか、作者名を先に絞り込むか、曲名を先に絞り込むか)による絞り込みについてとか
選択肢をあえて絞ることで得る情報を無理のない程度まで無意識に抑えてるんじゃないのかとか
ボーカロイドの種類の増加、歌い手の出現による相対的な作曲者の露出機会の減少とか
個人的に思うことはあるのですが、書くのが面倒なのでまた機会があったときに書きたいと思います。

都道府県別18歳〜67歳のtwitter普及率。

はい、今回はVOCALOID関係ないネタです。


まちツイと呼ばれるtwitter利用者の地域データを参照できるサイトが出てきましたので
そちらのデータを利用してtwitter利用者が各都道府県でどの程度普及しているのか見てみました。


まちツイ
http://machi.userlocal.jp/


調べる方法は以前のニコニコ動画視聴率を調べたときと一緒で
都道府県ごとに


twitter普及率=twitter利用者数/18歳〜67歳の人口


としています。
使用した総務省都道府県別の年齢階級別人口のデータは平成19年のもので
そこの15歳〜64歳の人口データを利用してます。

http://www.stat.go.jp/data/jinsui/2007np/index.htm

3年前のものなので+3歳してます。
この3年で住居等変わってる人も多いでしょうが、都道府県単位の人口がそう劇的に変わらんだろうということで
大雑把にこのデータを利用してます。


というわけでさっそく結果です。
こんな感じになりました。

視聴割合の大きかった都道府県から並べていきます。


1 東京 1.610%
2 京都 0.720%
3 神奈川 0.707%
4 大阪 0.616%
5 北海道 0.515%
6 千葉 0.447%
7 埼玉 0.440%
8 福岡 0.428%
9 愛知 0.394%
10 石川 0.374%
11 兵庫 0.371%
12 奈良 0.356%
13 宮城 0.354%
14 広島 0.350%
15 新潟 0.331%
16 沖縄 0.322%
17 静岡 0.313%
18 長野 0.306%
19 滋賀 0.304%
20 富山 0.302%
21 福井 0.292%
22 岡山 0.286%
23 茨城 0.279%
24 岐阜 0.265%
25 群馬 0.265%
26 三重 0.262%
27 山梨 0.258%
28 高知 0.253%
29 秋田 0.245%
30 山形 0.245%
31 香川 0.241%
32 岩手 0.239%
33 宮崎 0.233%
34 熊本 0.233%
35 大分 0.232%
36 島根 0.229%
37 徳島 0.229%
38 鳥取 0.225%
39 栃木 0.222%
40 和歌山 0.217%
40 福島 0.214%
40 鹿児島 0.206%
43 愛媛 0.205%
44 山口 0.200%
45 青森 0.199%
46 長崎 0.192%
47 佐賀 0.185%


当然ながらtwitter利用者全員が地域情報を登録しているわけではないのであくまでも最低限の目安として捉えてください。
もし地域公表率が全国一律とするならこんな順位になるかと思います。


追記:
秋田県のデータが間違っていたので修正しました

VOCALOIDカラオケ配信曲におけるニコニコ動画での人気と作者の関係について考察。

お久しぶりです。3ヶ月ぶりのブログ更新となります。
活動を何もしていなかったというより、考察ものがなかったのでこのブログはご無沙汰になってました。
しかし、とある思いつきから先日データを調べてみたのでそれらについてご報告みたいな考察になります。


さて、今回の考察で扱う対象はJOYSOUNDにてカラオケ配信されているVOCALOID曲です。
えーと、ちょうど1年ほど前からうちのサイトでJOYSOUNDで歌えるVOCALOID曲の検索サービスもやってまして
毎週毎週、JOYSOUNDで歌える曲をデータベースに登録してきました。


PCページ
http://bokasachi.natsu.gs/search/index.php?mode=confirm&joy=1&order=4

モバイルページ
http://bokasachi.natsu.gs/mo/joy/confirm.php?mode=i


2009/12/12現在計282曲の曲がJOYSOUNDにて配信されています。
(ちなみにUGAでは33曲配信。)


ちょっと計算してみたところ配信曲数が年内に290曲前後、来年1月上旬には300曲に到達します。
今年3月に100曲、9月に200曲でした。
というわけで100曲→200曲が6ヶ月かかったのに対して200曲→300曲が5ヶ月と配信曲数のペースが上がってるわけです。


300曲の大台が見えてくると個人的にデータとして興味が出てきまして、
ニコニコでの人気と配信曲は何か関連性があるのかなどと気になってきました。

JOYSOUNDカラオケ配信決定までの流れ

ちなみにJOYSOUNDで同人曲など、一般商業曲ではない曲がカラオケ配信曲として入曲するには次のようなステップが必要です。


ユーザーからの曲のリクエス

JOYSOUND運営にて調査中とリストに表示される

曲の製作者(権利者)がJOYSOUND運営へ自分から連絡(JOY側から連絡はとってこない)

確認やら何やらがあって問題がなければ投票曲へエントリー

ユーザーがポイントを払って投票。(買い物やJOYSOUND等を利用して毎月入手できるポイント)

月末に投票累計上位200曲の配信が決定(201位以下の票は翌月に持ち越される)


とまぁこんな感じです。
要はリクエストがあって、作者が自分からカラオケ化の意思をもって連絡して、票さえ入れば権利的にやばくない限りカラオケ配信されるわけです。
半年ほど前にポイントの獲得方法の変化などがありましたが、この1年半、このシステムが利用されてJOYSOUNDにてVOCALOID曲がカラオケ配信されています。


最近の配信ペースを考えると毎月決定する200曲のうち20曲(10%)が少なくともVOCALOID曲ってことになりますね。


また、一方で企画入曲という投票を経ずして配信が決定する曲もあります。
詳しい条件は分かりませんがメジャーCDを出したり、楽曲がかなり人気だったりとかなりハードルは高いようです。

配信曲と各種データ

さて、前置きが長くなりましたがここからが本題です。
今回はニコニコ動画内の人気の指標として週刊VOCALOIDランキングに掲載されたかどうかを主に見ています。
この場合の掲載の定義ですが上位30位(動画内で曲が流れたことがある)としています。

1.JOYSOUNDカラオケ配信曲の週刊VOCALOIDランキング掲載率


載ったことのある曲が191曲、載ったことのない曲が91曲。
2/3の曲がランキングに掲載されたことがあり、1/3曲がランキングに載ったことがないと出ました。
人によってこれが多いか少ないかは違うかと思います。
毎回データ入力してきた自分にとっては妥当かなと思う値でしたが、twitterでちょっとこのデータを流したときに
ランキングに載らなくても配信されている曲があるのかと驚いた方もいらっしゃいました。


週刊ランキングに載ったことのない配信曲一覧
http://bokasachi.natsu.gs/search/index.php?mode=confirm&page_num=0&site=1&rank=2&joy=1&order=4


2.JOYSOUNDカラオケ配信曲と作曲者の週刊VOCALOIDランキング掲載経験の有無


現在127名の作曲者の方がJOYSOUNDにて曲をカラオケ配信されています。
その方達の週刊VOCALOIDランキング掲載経験の有無データです。
109名(約85%)の方が週刊VOCALOIDランキング掲載経験があり、一方で18名(約15%)の方が掲載経験がなくとも配信されています。


掲載経験がなくとも配信されてるってどんな人たちなんだろうと思い、ランキング掲載が未経験の方で2曲以上配信されてる方を調べました。
その条件に当てはまった方は8名です。以下列挙します。
これを見て自分はなるほどなーと思ったのですが、VOCALOIDに詳しくない方はさっぱりだろうと思いますので後ろに配信楽曲原曲の使用VOCALOID等を追記してます。


・kihirohitoP 6曲(ミク、リン 護法少女ソワカちゃんオリキャラ)作者。)
・涼風P 3曲 (MEIKO、ミク VOCALOID古参作者。)
・ネジP 3曲 (ミク、レトロな雰囲気の楽曲作者。)
ヤンデレP 3曲 (リン、メタル一筋の楽曲作者。) 
・0-9 3曲 (MEIKOMEIKO使いとして有名。iTuneでも楽曲配信中。)
・てつやP 2曲 (レン、レンオリジナル曲古参作者。)
・L*aura  2曲 (ミク、SNSテーマソング等を制作。)
・尻切れ/アリアP 2曲 (KAITO用楽曲を課題曲として提供している。)


こんな感じです。
ランキングには載らないけれど、その使用VOCALOIDのファンの人だったら名前は知ってるという方たちという印象でした。
そのVOCALOIDが出た当初から使用しているという人の割合も多めですね。
ちなみにMEIKOがソロで歌っているカラオケ配信曲は今のところ6曲あるのですが、全部この方達の作品です。

3.作曲者とJOYSOUNDカラオケ配信曲数


半数の方は1曲しかカラオケ配信されてません。
69人なので配信曲282曲中69曲ですね。
残り213曲を58人が配信してます。


6曲以上配信している方は次の方達です。(8名、全体の6.4%。57曲、配信曲の20.2%)


・Re:nG 9曲
doriko 8曲
・悪ノP 8曲
・OSTERproject 7曲
ジミーサムP 7曲
supercell(ryo) 6曲
・19's Sound Factory 6曲
・kihirohitoP 6曲


ちなみに上記8名は全員何かしらのメジャーCD・DVDを出されてます(コンピレーションアルバム含む)


はい、今回とったデータは以上になります。
投票時のデータなども見てみないとわかりませんが、名前を見る限り週刊ランキングに入らずにカラオケ配信が決まった曲は
人の記憶に残る時期・方法(新VOCALOID発売直後、アレンジ祭り等)で認知が広まったとか、
あまりカラオケ配信されてないVOCALOIDのうけ皿になったとかだと考えられます。


使用VOCALOIDごとのカラオケ率とかも出せるのですが、ちょっと面倒だったので今回とってません。
また機会があったときにでもやろうかなと思います。


では、今回の考察はここまでです。
面白そうなデータがあったらまたとってみようと思います。

VOCALOIDって何なんだろうねと思いながら

今週の月曜日、8月31日にミクフェス '09(夏)なるものが開催されました。
ソフトウェアであるVOCALOID初音ミクを主役とした"ライブ"です。
地方民である自分は会場には行けませんので、ニコニコ動画で公開された生放送(有料)を見てました。


どのようなライブだったかはこちらのレポートを参考にしてください。


初音ミクが歌って踊る! ミクフェス '09(夏)レポート
http://ascii.jp/elem/000/000/456/456009/


自分の感想としてはこんなことになったかという驚きと感嘆が第一にあります。


実体を持たないソフトウェアキャラクターがそこに存在するかの如く行われるライブ。
3Dモデルを提供されたSEGAによる頑張りもあり、おーってな感じで見てました。
実体がなくとも念じればそこに存在するとでも言いましょうか。
すごく精神的なものを感じましたね。


何も分からない人がただあの状況だけ見たら狂気を感じると思います。
以前、初音ミクは信仰・宗教といった論を仰ってた方がいらっしゃいましたが、
あながち間違いではないかも。


それほど奇妙さと不思議さと熱狂が混在した空間だったと思いました。
自分もVOCALOIDを聞いている一人として楽しみましたけどね。


それで後で自分の中に残ったのはVOCALOIDって何なんだろうねということなのです。


製品そのものはソフトウェア音源、単に楽器なわけですよ。
でもただの楽器にあの空間と雰囲気を作ることは不可能だと思うわけです。
あの空間ではアイドル(偶像)とかそういった表現が正しいと思います。


互いに違う個体を見つつ、同一のものを想起するという感覚。


んー、なんなのかな。
一つは実体がないということがあるかもしれない。
データとして個体として唯一無二ではないという点。


普通大量生産された量産物でも実体があれば使っていくうちに
そのものについて愛着が沸いたりするじゃないですか。
使い方とか場合によっては傷が付いたりして、〜したときに付いた傷なんだよねとか
思い出が蓄積されて唯一無二な物になっていきますよね。
思い出があればあるほど同じ商品でも後から換えが効かないとか。


自分はユーザーではないので勝手なこと言いますけど
ソフトウェアって個別にそういったことは起きないんじゃないかなと。
アンインストールして再度インストールしたときに
これ今まで使ってた初音ミクじゃないんだなーなんて思う人はいないと思うんですよ。


じゃあ、アンインストールする以前にあった思い入れ・愛着みたいなものは何に蓄積させてるのかというと
初音ミクというソフトウェアの(存在?)概念にではないかと思います。
まー、インストールするパソコンが違うと別に感じる人はいるかもしれませんけど
それはソフトウェアというより環境による愛着の差異だと思いますし。


ソフトウェアそのものに対する思い入れってのはユーザーならそれなりに持ってると思います。
他の音源ソフトでもいいですし、音楽に限らない製作ソフトでもいいですけど。


でも、普通ソフトウェアへの思い入れって直接そのソフトを利用しているユーザーしか持たないと思います。
だってどのソフトウェアを利用したかどうかなんてコンテンツ製作者にしか分からないじゃないですか。


その点で言えばVOCALOIDってのは分かりやすい。
聴覚的な面でもキャラクターという視覚的な面でも。
非ユーザーでも、これはVOCALOIDっていうソフトウェアを使ってるんだなと分かる。
使ったこともない人がソフトウェアに思い入れを持つ←これ重要。


で、やっぱりこの愛着も初音ミクというソフトウェアの概念に蓄積されていくと。
ユーザー・非ユーザーの思い入れが集まってきた結果、なんか偶像的な不思議なことになってるんじゃなかろうかと思うわけです。


1.実体を持っていないということ。(思い入れが個体でなく概念に蓄積される。)
2.直接の利用者・所持者が存在し、利用することで思い入れが持てるということ。
3.非利用者・非所持者でも分かりやすく認知でき、かつ思い入れを持てるということ。


以上、3点を備えてるものってそれなりに限定されてくると思うのですがいかがでしょうか。


1については普通のキャラクターものがしっくりきますけど、2の利用者ってのはキャラクターだとう〜んって感じなのかな。
VOCALOIDのキャラクターって視覚サインとして、3.の"分かりやすく認知"ってのをかなり補完してるのではないかなと思いました。
さらに聴覚的にも訴えてますからね。


というわけで、まとまってないけどこんなことを思った次第でした。


追記

なんか視覚と聴覚で訴えていけば存在感を増してくるんじゃないの?って気がしないでもない。
五感のうちの二つだもの。
日頃二次元的キャラクターを視覚として見慣れてる部類の人なら尚更。

VOCALOIDの紹介動画について雑記。

データ的なものは何も持ってないのですが、ここのところVOCALOID関連で一騒動あったので
なにか書いてみるかーってことで書いてみます。


ここのところの印象として、VOCALOID、特に初音ミクについてですけど
以前よりも公共物的なイメージが強くなりました。
なんでだろうなーと思って考えてみたのですが、
色んな曲や動画、動画以外のものに出るようになって
共通している最大公約数的なイメージが小さくなったのが自分の中では大きいかも。


数が増えれば増えるほど分散化して共通項が少なくなるのは当然ですし
色んなところに使えるクセのないキャラクターって点ではその方がいいと思います。


あとはVOCALOIDに接し始めた時期によって各々で持ってるイメージが違うのもあるのかなとも。
時期というよりもその人がVOCALOIDに接し始めたときの流行、主流ですね。
例えば、自分は2007年9月のオリジナルのキャラクターソングものが出始めた時期に
VOCALOID初音ミク)を聞き始めたのですが、初音ミクについて持っているイメージは同じ時期に聞き始めた人と近いことが多いと思います。
また、メルトが流行っている頃に接し始めた人たちはその時期に聞き始めた人とイメージが近いでしょうし、ProjectDIVAが流行ってる時期に聞き始めた人はそのイメージが強いかもしれません。


きっかけによってその人の核となるイメージに差異が生じてるって感じですね。
これが参入時期によるジェネレーションギャップみたいなものなのかな。
これが酷いと同一ジャンル内における古参が新人がみたいな話になると思うのですが
多種多様な曲・動画群が特徴でもあるので目立ってそういうのはないと思います。
これがないと古い人しか残らなくて尻すぼみですからね。
新しい人がいるという点では喜ばしいことかなと思います。


VOCALOIDで曲を作る人に新規参入者はそれなりにいる。
新規に曲を聞く人もそれなりにいる。
ほう、それはよろしいじゃないかというわけですが、
ここでちょっと自分の分野の方向の話へ。


曲紹介とかサポート的な方面の話。
んー、どうなんだろうなと思うのがランキング動画を含め継続している曲紹介動画の作り手がほぼ固定化している点ですね。
一部紹介動画の作者さん同士で協力しあっているというのはありますけど、一つの紹介動画を複数人で作るというのはあまり行われてないと思います。
ニコニコ全体のランキング動画は週ごとで作ってる方が違うらしいですけど。


その動画の作り手さんが今後紹介動画を作成できなくなった場合に
代わりの機能をもった動画が登場してくるのだろうかという点と
受け手としてその人がその動画を作るのが普通になってるのではないかという点。
これら2点がちょっと疑問だったり。


紹介動画を作ろうにも大方席が埋まっちゃってるのもあると思うのですよ。
やろうと思ったら随分前から別の人がやられてたみたいな。
ブログやらwikiやらで紹介は増えてるので、特に若い新規に聞き手に
動画を作成するほどの環境がないってのもあるかもしれない。


まー、実際、紹介動画が作れなくなった場合は新しく作る人が出てくるでしょうから杞憂なんでしょうけどね。
ただ、日刊系を作成される場合は技術も必要となってくるとなるのでもしもの場合は不安といえば不安なんですよね。
非定期の紹介動画だと働きかけでもしない限り殆ど弾き継ぎ手が出てこないような気もしますけど。


ブログとなると特定の作者さんだったり偏りというか紹介者の好みによるところが大きいですし
先日出たVOCALOID大全のような経済が絡んでくる紹介は大味というか有名ところに偏るでしょうし
紹介関係もそれなりに大事なんじゃないかなと思ったりするわけです。


VOCALOID関連の動画がね、ニコニコ動画の運営のランキングか、タグ検索でしか見つからない(見つけにくい)ようになったら、勢いが小さくなってしまうような気がしないでもない。


ランキング動画や紹介動画は利用してないよって人には問題ないと思いますけど
やっぱりそれはディープな層であって、ランキング・紹介動画の存在の一番のメリットって
その分野のカジュアル化だと思うんですよね。


しかし自分勝手な心配してるなーと思いながら終わりにします。。