VOCALOIDカラオケ配信曲におけるニコニコ動画での人気と作者の関係について考察。

お久しぶりです。3ヶ月ぶりのブログ更新となります。
活動を何もしていなかったというより、考察ものがなかったのでこのブログはご無沙汰になってました。
しかし、とある思いつきから先日データを調べてみたのでそれらについてご報告みたいな考察になります。


さて、今回の考察で扱う対象はJOYSOUNDにてカラオケ配信されているVOCALOID曲です。
えーと、ちょうど1年ほど前からうちのサイトでJOYSOUNDで歌えるVOCALOID曲の検索サービスもやってまして
毎週毎週、JOYSOUNDで歌える曲をデータベースに登録してきました。


PCページ
http://bokasachi.natsu.gs/search/index.php?mode=confirm&joy=1&order=4

モバイルページ
http://bokasachi.natsu.gs/mo/joy/confirm.php?mode=i


2009/12/12現在計282曲の曲がJOYSOUNDにて配信されています。
(ちなみにUGAでは33曲配信。)


ちょっと計算してみたところ配信曲数が年内に290曲前後、来年1月上旬には300曲に到達します。
今年3月に100曲、9月に200曲でした。
というわけで100曲→200曲が6ヶ月かかったのに対して200曲→300曲が5ヶ月と配信曲数のペースが上がってるわけです。


300曲の大台が見えてくると個人的にデータとして興味が出てきまして、
ニコニコでの人気と配信曲は何か関連性があるのかなどと気になってきました。

JOYSOUNDカラオケ配信決定までの流れ

ちなみにJOYSOUNDで同人曲など、一般商業曲ではない曲がカラオケ配信曲として入曲するには次のようなステップが必要です。


ユーザーからの曲のリクエス

JOYSOUND運営にて調査中とリストに表示される

曲の製作者(権利者)がJOYSOUND運営へ自分から連絡(JOY側から連絡はとってこない)

確認やら何やらがあって問題がなければ投票曲へエントリー

ユーザーがポイントを払って投票。(買い物やJOYSOUND等を利用して毎月入手できるポイント)

月末に投票累計上位200曲の配信が決定(201位以下の票は翌月に持ち越される)


とまぁこんな感じです。
要はリクエストがあって、作者が自分からカラオケ化の意思をもって連絡して、票さえ入れば権利的にやばくない限りカラオケ配信されるわけです。
半年ほど前にポイントの獲得方法の変化などがありましたが、この1年半、このシステムが利用されてJOYSOUNDにてVOCALOID曲がカラオケ配信されています。


最近の配信ペースを考えると毎月決定する200曲のうち20曲(10%)が少なくともVOCALOID曲ってことになりますね。


また、一方で企画入曲という投票を経ずして配信が決定する曲もあります。
詳しい条件は分かりませんがメジャーCDを出したり、楽曲がかなり人気だったりとかなりハードルは高いようです。

配信曲と各種データ

さて、前置きが長くなりましたがここからが本題です。
今回はニコニコ動画内の人気の指標として週刊VOCALOIDランキングに掲載されたかどうかを主に見ています。
この場合の掲載の定義ですが上位30位(動画内で曲が流れたことがある)としています。

1.JOYSOUNDカラオケ配信曲の週刊VOCALOIDランキング掲載率


載ったことのある曲が191曲、載ったことのない曲が91曲。
2/3の曲がランキングに掲載されたことがあり、1/3曲がランキングに載ったことがないと出ました。
人によってこれが多いか少ないかは違うかと思います。
毎回データ入力してきた自分にとっては妥当かなと思う値でしたが、twitterでちょっとこのデータを流したときに
ランキングに載らなくても配信されている曲があるのかと驚いた方もいらっしゃいました。


週刊ランキングに載ったことのない配信曲一覧
http://bokasachi.natsu.gs/search/index.php?mode=confirm&page_num=0&site=1&rank=2&joy=1&order=4


2.JOYSOUNDカラオケ配信曲と作曲者の週刊VOCALOIDランキング掲載経験の有無


現在127名の作曲者の方がJOYSOUNDにて曲をカラオケ配信されています。
その方達の週刊VOCALOIDランキング掲載経験の有無データです。
109名(約85%)の方が週刊VOCALOIDランキング掲載経験があり、一方で18名(約15%)の方が掲載経験がなくとも配信されています。


掲載経験がなくとも配信されてるってどんな人たちなんだろうと思い、ランキング掲載が未経験の方で2曲以上配信されてる方を調べました。
その条件に当てはまった方は8名です。以下列挙します。
これを見て自分はなるほどなーと思ったのですが、VOCALOIDに詳しくない方はさっぱりだろうと思いますので後ろに配信楽曲原曲の使用VOCALOID等を追記してます。


・kihirohitoP 6曲(ミク、リン 護法少女ソワカちゃんオリキャラ)作者。)
・涼風P 3曲 (MEIKO、ミク VOCALOID古参作者。)
・ネジP 3曲 (ミク、レトロな雰囲気の楽曲作者。)
ヤンデレP 3曲 (リン、メタル一筋の楽曲作者。) 
・0-9 3曲 (MEIKOMEIKO使いとして有名。iTuneでも楽曲配信中。)
・てつやP 2曲 (レン、レンオリジナル曲古参作者。)
・L*aura  2曲 (ミク、SNSテーマソング等を制作。)
・尻切れ/アリアP 2曲 (KAITO用楽曲を課題曲として提供している。)


こんな感じです。
ランキングには載らないけれど、その使用VOCALOIDのファンの人だったら名前は知ってるという方たちという印象でした。
そのVOCALOIDが出た当初から使用しているという人の割合も多めですね。
ちなみにMEIKOがソロで歌っているカラオケ配信曲は今のところ6曲あるのですが、全部この方達の作品です。

3.作曲者とJOYSOUNDカラオケ配信曲数


半数の方は1曲しかカラオケ配信されてません。
69人なので配信曲282曲中69曲ですね。
残り213曲を58人が配信してます。


6曲以上配信している方は次の方達です。(8名、全体の6.4%。57曲、配信曲の20.2%)


・Re:nG 9曲
doriko 8曲
・悪ノP 8曲
・OSTERproject 7曲
ジミーサムP 7曲
supercell(ryo) 6曲
・19's Sound Factory 6曲
・kihirohitoP 6曲


ちなみに上記8名は全員何かしらのメジャーCD・DVDを出されてます(コンピレーションアルバム含む)


はい、今回とったデータは以上になります。
投票時のデータなども見てみないとわかりませんが、名前を見る限り週刊ランキングに入らずにカラオケ配信が決まった曲は
人の記憶に残る時期・方法(新VOCALOID発売直後、アレンジ祭り等)で認知が広まったとか、
あまりカラオケ配信されてないVOCALOIDのうけ皿になったとかだと考えられます。


使用VOCALOIDごとのカラオケ率とかも出せるのですが、ちょっと面倒だったので今回とってません。
また機会があったときにでもやろうかなと思います。


では、今回の考察はここまでです。
面白そうなデータがあったらまたとってみようと思います。