週刊ニュース深読みの初音ミク特集の放送後のご意見から読み解く初音ミクの10代ファン

どうも、またまたお久しぶりです。
前回の記事から半年ですね。


今回は面白そうなネタが入ったのでご紹介。
2月4日のNHKのニュース番組「週刊ニュース深読み」にて初音ミクについての特集が組まれました。
この番組、放送後に番組内容についてのご意見募集ということで意見募っており、さらにその意見をサイト上で閲覧することができます。
さらにこの意見には、性別、年齢(年代)、在住都道府県が付いてきます。


そのページがここ
週刊ニュース深読み放送後の感想


※2/18訂正
自分が集計を行ったのはご意見募集の方でした。上記は感想のページです。
週刊ニュース深読み次回テーマへのご意見



ほう、ということで集計してみました!
というかtwitter上で10日前にやったネタを今回ブログにまとめてみるかってことでやってるだけなので

集計期間は放送直後の2月4日8:30〜2月6日22:00で、63意見になってます。

あれから10日以上経ってるんだからもうちょっとサンプル数増やせよって話ですが、
意見の要約とかやってめんどくさくて、もうやりたくないんですよねー。


まぁ、さっそくデータを出していきます。
まずは63意見の男女比、年齢構成のグラフです。




見て分かるように10代多いです、というか10代女性がすさまじい。
初音ミク」だけの特集だったので他のVOCALOIDのファン構成までは分かりませんがとにかく10代女性って感じ。
情報としてはありましたけど、自分の知り合いに10代年齢層のVOCALOIDファンはいなかったので結構貴重です。


次に意見を要約してみました。
http://bokasachi.natsu.gs/file/hukayomi.htm

※番組放送直後2/4 8:30からの意見を集計。N=63
性別 年代 内容
女 1 テレビに取り上げられ今まで以上に期待                            
男 10 ミクは世界に誇れる、紹介ありがとう                            
男 10 ミクが好きだけどオタクに見られてしまう。だから世界に認めらたのがうれしい                      
男 10 誇れる日本の歌姫。曲がいいので人気が出るのは当然。                        
男 10 Youtubeで大量に削除されてる。陥れられたくはない。                          
男 10 様々な人が作曲しているてその人その人の個性があるから良い。                        
男 10 3年前は名前だけで批判を受けていい気はしなかった。今は世界的に人気が出てきてうれしい。                  
男 10 自由に曲が作れて、幅広くいろんなジャンルの曲が聞ける、様々なボーカロイドがいるので人気になったのでは。                
男 10 自分でVOCALOIDにて作曲をしている。機械やオタクっぽいと非難の声もあるが曲を作るのは人間、いい曲もある。                
男 10 曲を聞くたびに勇気が湧いたり気持ちがやわらいだりする。もっとミクの曲が広まることを祈っている。                  
男 10 自分の学校ではそこまで有名ではないが、曲を聞いていると心が落ち着いて冷静になれる。                  
女 10 ありふれてない、探せばいい曲が見つかる                            
女 10 機械だけど声が変えられるので感情が伝わるのではないか。そこが海外から評価されてるのでは。                  
女 10 斬新な歌声やメロディもあるが、一番は誰でも創作に関われる点が良い。                      
女 10 キャラクターより曲が好き。自由にいろんな人が歌える点が魅力では。                      
女 10 他のJPOPと違う                                
女 10 3年前に知ってから好き。救われる曲が多くある。                          
女 10 小学生のときに聞き始めたが共感する曲が多かった。人気がある曲ない曲どちらでも心に響く。                  
女 10 以前は名前だけ知ってるオタク向けのキャラだと思ってた。友人の紹介で綺麗な声と可愛らしい外見で好きになった。              
女 10 小・中学校でVOCALOID楽曲を流すのはPさん達も嫌なのでは?小中学生は校内放送で自重するべき。                
女 10 もう生活の一部。カラオケでいつも歌う。ボカロのおかげで友人が増えた。                      
女 10 ミクが好き。番組に出してくれてうれしい。もっと気に入ってほしい。                        
女 10 みんなが歌を作って聞けるから人気になったのでは。今は人間とロボット関係がなくなっている点も大きい。                
女 10 悲しいときに元気をくれる。楽しいときにもっと楽しくしてくれる。                        
女 10 初音ミクのおかげで友達が増えた。創作意欲が沸きあがってきた。                        
女 10 喜怒哀楽を乗せやすい曲が多いので好き。もっとボカロがみんなに認められて欲しい。                    
女 10 3年前から聞いている。世界で知ってもらえてうれしい反面、さみしいかんじもする。                    
女 10 友達が増えた。ボーカロイドは人と人とのつながりを作っているのだと思う。                      
女 10 いろいろなジャンルの楽曲がある。ボーカロイドの声質も良くなっている。涙を流したのは数えきれないほど。                
女 10 「ローリンガール」を聞いて音楽に興味を持った。                          
女 10 最初は初音ミクが嫌いだった。曲をきいてみたらどれもすごくて大好きになった。                      
女 10 共感できる曲がたくさんある。ボカロPが一生懸命作った曲は素晴らしい。もっとたくさんの人に初音ミクを知ってほしい。              
女 10 たくさんの曲の中の思いや気持ちを受け取り感動していることが多くある。                      
女 10 初音ミクに出会い前向きになった。初音ミクの歌には人を変える力がある。                      
女 10 年を取っても声が変わる心配がないから人気なのか?機械音だからこそという曲もある。皆に評価されていくのを見ると嬉しい              
女 10 つらいとき、楽しいときミクの音楽がそばにいる。世界に広がってもっと好きになってもらい他の人にも楽しい・元気な気持ちになってほしい。          
女 10 作り手によって質は変わるが幅広い年代に受けている。以前機械音だとバカにしていたが曲のメッセージに引き込まれた。思っていることを自由に曲にできるのがミクでは。      
女 10 人間のアイドルの代わりと見なしているわけではない。曲+動画+キャラクターを楽しんでるだけ。                  
女 10 フカヨミ良い曲。世の中が初音ミクを受け入れてくれることに期待する。                      
女 10 言葉は通じなくても音楽で気持ちは伝えられると思う。これをきっかけに日本を理解してくれようとする人も(海外には)たくさんいるはず。            
男 20 サブカル産業は長期継続できる状況にない(労働環境)                          
男 20 合成音声だと知って驚いた。弟が中学生の頃校内放送で流して良いか会議があった。高校ではクラスの多くが好意的に捉えてるらしい。            
男 20 踊りや歌ってみた等の新しい想像が日本を創っていくのではないか。                      
男 20 CD産業が衰退する中、日本のアイドル文化が最後の泉。収益が最大の武器であるのも然り。偏見があったのは残念。              
男 20 作曲者の数だけ音楽性があり、どんな曲でも歌ってくれる。そこが非常に面白いところだと思う。                  
女 20 曲がっても歌に自信がなくて発表できない人にはうってつけ                        
女 20 どんどん世界で取り上げられてうれしい。もうオタク文化だけの領域ではない。好きな人も嫌いな人もいるので分別を。              
女 20 様々なクリエイターがいることで同じミクでも違うミクになるところが魅力。どんな曲が好きな人でも自分好みの曲を見つけられる。            
女 20 オタク文化を好意的に紹介してもらい嬉しい。彼女は少女の形をした年齢も性別も国境も隔たりない楽器。                
女 20 関わる人間に制限がないからこそ多くの人の小さな思いが煉り込まれて多くの人を魅了するのではないか。                
男 30 クリエイターの集い繋がりを齎したことが素晴らしい                          
男 30 個人で制作されてるところがポイント。トップダウンでなくボトムアップ型。                      
男 30 ネットに通じている人にしか知られず残念。もっとテレビで取り上げて欲しい。                      
男 30 ネット上でいろんな人の目に留まり新たな創造に結びついていく。和歌でやってきたことの今風では。PopStarの要因は好きが原動力のアマチュアの世界だったからが大きい。    
女 30 2007年から聞いている。押し付けではない同じ目線のライブ感が受け入れられている根本。もっとたくさんの人に広がっていけばいい。            
男 40 多くの人が「私が育てた(ヒットさせた)」と自負、私の娘と思いこむことができ長く愛されてるのでは。                  
男 40 ブラジルのリオデジャネイロ、コスプレ大会にて飛び入り参加の部にて5歳の女の子がそっくりで1位だった。                
女 40 中学生の娘が友達とカラオケにいったらほとんどボカロ曲ばかり歌っていたそうだ。                    
女 40 同じ札幌市民として世界に恥じない素敵な女性だと思う。                          
女 40 高校生の息子が聞いていたのを横から聞いたのが初聞き。合成音声には最初ひいたが、アーティスト達の才能が豊かなことに驚いた。なんじゃこりゃという作品もあるが日本の文化の深さにくらくらうする。
男 50 動画サイトで初期から聞いてる。CDは400枚以上購入し毎日聞いている。由紀さんとはいい質の声という点で共通。              
女 50 車の中ではボカロばかり聞いている。子供より詳しいのでときどきあきれられる。                      
男 60 還暦過ぎ。彼女のクラシックは良い。          

前置きのデータが長いですがここからが本題。
上記をまとめながら思ったことが書いていきます。


総じて年齢が若い方が曲そのものに言及していることが多かったです。
年齢層が高いとVOCALOIDを取り巻くシステムやら環境やらって方向の意見が多いのですが
それに対して10代の意見は曲に感動したとかミクロな視点の意見が多めなんですよね。


特に今回注目したいのは10代女性に多かった
「共感できる曲が多い」、「(初音ミクのおかげで)友達が増えた」って意見です。
付随して「オタクっぽくて初めは嫌いだったけど友達に紹介されて曲を聞いてみたら好きになった。」ってなんてものも数件ありました。
これらの意見を見て、あれ?どこかで聞いたことのあるような意見だなって思った方はいませんか?
自分は真っ先に10代の頃に特定の歌手のファンだった子が言ってたようなことと同じだなと思いました。


つまり何が言いたいのかというと、少なくとも10代女性にとってVOCALOIDの人気があるというのは
VOCALOIDそのものの特殊性じゃなくて時代の歌手が人気を得ていたのと同じような理由なんじゃないかということです。
世の中星の数ほど曲はありますし、商業曲のマーケティングでは共感が意識されてるようですから共感の部分は商業曲でもやってるとして
結局のところ「友達が増える」かどうかが大きな要素になっているように思います。
要はその曲を知っていることで友達が増えるのならば10代にとってその曲の価値は跳ねあがるのではないかということですね。


他に商業曲はたくさんあるのになぜVOCALOID楽曲なのかってことになると
たまたま10代が覗く(発見する)場所にVOCALOID楽曲があった、そういうことなんだと思います。



それからこれらの意見を見てもう一つ気が付いたことがあります。
「共感」というフレーズが多用されているんですが、これって10代はものすごく真剣に歌詞を見て考えて読んでいるんじゃないかということ。
そうじゃないと中々「共感」って出てこないと思うんですね。
また、インスト曲の感想では10代のフレーズとして「共感」とは中々出てこないかと思います。
楽曲に歌詞が付くことによるヒット性に改めて気づきました。
自分なんかは元々人間歌唱の曲よりインスト曲の方が好きなのと、歌詞も音として耳障りものを選びがちだったのでこの視点は新鮮でした。


まー、この結果を見て思うのは10代にはそりゃーキャラソンものは受けないだろうなということですね。
んじゃ、なんで初期はキャラソンものが受けたんでろうと思うとVOCALOIDの歴史・キャラクターの蓄積の部分が受けてたのではないかなということです。
蓄積を持ってる人ってその分野に一定の期間眺めてた人だと思いますし、それが共通項としてのハブになってたのかもしれません。


蓄積がある人は蓄積に共感し、蓄積がない人は曲に共感する。
こんな感じの印象をもった次第でした。


短いですけど今回はこんなところです。