グラフで見る週刊VOCALOIDランキングと初音ミクの自己言及曲

「ぼかさち」に見る「ボーカロイド」曲の比率
http://d.hatena.ne.jp/beentocanaan/20081211

こちらでこんな内容を考察されていたものですから、自分も管理人としてなんか考察をやらないとと思いちょっとやってみました。
ぼかさちではすべての情報を網羅していないので一定の区切りについて述べないとデータとして扱うのは難しいと思います。
自分が週刊VOCALOIDランキングを主に引用するのはデータが定数となっているためです。


どこかで投稿されている動画の全データをとっていれば考察なんかもやりやすいんでしょうけどね。


さて、今回の考察はこちらのグラグから。

このグラフは月別の週刊VOCALOIDランキングTOP30に初めて掲載された曲数とその中に占めるオリジナル曲との関係です。
VOCALOIDランキングは2007年10月から始まっているので2007年9月と10月は一緒に考えてください。


このグラフから読み取れることは大きく二つ。


■ランキングに占めるオリジナル曲の割合は右上がりの傾向にある。
■ランキングに新規に掲載される曲8月以降は減少傾向にある。


これはニコニコ動画の公式ランキングの改変をモロに受けた形となっていますね。
1ヵ月に週刊VOCALOIDランキングに初掲載されるオリジナル曲数はそこまで大きく変わっていません。
しかし、ランキングに掲載される全体の曲数、特にカバー・アレンジ曲が減少しているため、結果的に週刊VOCALOIDランキングに占めるオリジナル曲数の割合が高くなっています。
全体の曲数とオリジナル曲数の差が小さくなっていることからそれが分かると思います。


特に7月は掲載曲数が最も多かっただけに8月の減少が悔やまれますね。


ほじくればもっと色々言えるでしょうが、とりあえずこのグラフについてはこれまで。


次のグラフです。

これは週刊VOCALOIDランキングにおける初音ミクの自己言及曲と初音ミクの自己言及オリジナル曲のデータをとったものです。
さらに全VOCALOIDの自己言及曲の率を一緒に載せています。
自己言及というのはVOCALOIDのことについて歌った歌だと思ってください。
また、ランキングからのデータですから、視聴者の好みの移り変わりと読み取ることもできるかもしれません。


このグラフから読み取れることはざっと3つ。


初音ミクの自己言及曲はオリジナルとアレンジではあまり差がない
(自己言及曲のほとんどは完全オリジナル曲である。)
初音ミクの自己言及曲が極端に減少する月とそうでない月が存在する。
初音ミク以外のVOCALOIDの自己言及曲は減少傾向にある。


まず、初音ミク単体に限れば自己言及曲のオリジナルと非オリジナルの週刊VOCALOIDランキングへの掲載率の差はそこまで大きくありません。
このことからランキングに掲載される初音ミクの自己言及曲の多くは完全オリジナルであるということが分かります。


次に、2月と2008年10月、11月を見てみると極端に初音ミクの自己言及曲が少なくなっています。
このようなことから自分は2月にVOCALOIDは作者主体のツールとしての扱いが広まったのかなと考えていました。
しかし、3月にはまた自己言及曲が増えたことから、振り子のような視聴者の動きが働いたと考えています。
視聴者側がツールとしての扱いに反発したとでも言いましょうか。


3月9日はミクの日ということで、初音ミクをテーマとした曲が多く投稿されたことも3月に自己言及曲が増加した理由にあると思います。
さらに8月31日が初音ミク発売日ということで、このときも初音ミクをテーマとした曲が多く投稿されています。
そのため、2008年8月・9月は初音ミクの自己言及曲が増加しているのでしょう。


しかし、2008年10月は自己言及曲が減少し、2008年11月はついには0となっています。
12月に1曲掲載されましたが、このままどうなるか分かりません。
このまま増加が望まれないとしたら、主流の視聴者が初音ミクというキャラクターを必要としなくなった、本当にVOCALOIDがツール化したということだと考えられます。


振り子という自分の仮定が正しければまた増えるのかもしれませんね。
初期の雰囲気の曲(自己言及曲)が好きだって人が求めればそうなるでしょう。



最後に3つ目。
初音ミク以外の自己言及曲は減少傾向にあるってやつです。
初音ミクの自己言及曲のグラフと全VOCALOIDの自己言及曲とのグラフの差から、他のVOCALOIDの自己言及曲の数がわかります。


特に差が大きいのが2007年12月・2008年1月と2008年4月となっています。
2007年12月・2008年1月は鏡音リン・レンの発売の影響だと考えられます。
2008年4月はKAITOの自己言及曲が増えているようです。


しかし、それ以降は初音ミク以外の自己言及曲は減少傾向にあり、がくっぽいどが発売された7月には増加傾向もありませんでしたから、がっくっぽいどの自己言及曲はほとんど視聴者に受けなかったということがわかります。


初音ミクの自己言及曲が2008年10月以降減っているため、他のVOCALOIDの自己言及曲の方が多くなっているようです。



一応、何かしらVOCALOID関連のイベントがあれば事故言及曲は増えるようですが、さてさて、これからどうなっていくのでしょうか。