VOCALOID界隈動画の選び方の変遷を考えてみる。

http://d.hatena.ne.jp/zk3/20081109/1226212744

こちらの考察が面白かったので、自分なりにちょっと考えてみます。


↑で紹介した記事の内容をざっとまとめると


「選ぶ・選べるってことは楽しいけど、情報量がある程度抑えられていないとしんどい」


ということのようです。
人間が一定の期間内で取得できる情報量にある程度の限界があると考えると納得。
音楽というメディアは時間を消費するものなので尚更ですね。


では、実際には情報を制限するためにどういった視点でVOCALOID動画が選ばれてきたのか考えて見ます。
実際には下記のカテゴリーと違う情報選択の仕方をされている方もいると思いますが
動画の雰囲気や時事的な傾向、また自分が感じていることなどから主流っぽいものとして提示しています。
※カテゴリーは視聴者の情報選択の流れのようなもの。()内の数字は選択支の数。


■2007年9月


カテゴリー:初音ミク(VOCALOID)(3)
・とりあえず、初音ミクならなんでもOKだったという期間。
視聴者がニコニコ動画内の大量の動画群から、初音ミクという情報のみを選択してた時期だと思います。
この時点では初音ミクVOCALOIDと認識をされ、MEIKOKAITO初音ミクの仲間というくらいの認知度だった思います。

■2007年10月


カテゴリー:初音ミク(VOCALOID)(3)→オリジナル,カバー(2)


・その次に分ける要素としてはオリジナルかカバーかということがありました。
この時期のオリジナル曲が台頭を表すと次期に続々とオリジナル曲投稿者が現れます。


■2007年11月〜2007年12月


カテゴリー:初音ミク(VOCALOID)(3)→オリジナル,カバー(2)→投稿者別(200以上)
初音ミクというカテゴリだけでは情報を抑え切れなくなってきたため、カバー、オリジナルの他に投稿者毎で情報分けて整理し始めた期間。
ニコニコ動画全体でニコニコ動画の投稿者IDを見るという習慣がなかったため、視聴者による投稿者認識の手段としてP名付けが始まります。
この投稿者でのカテゴリ分けはアイマス界隈で半年近く前には行われていたようです。


■2008年1月


カテゴリー:VOCALOID別(5)→オリジナル,カバー(2)→投稿者別(300以上)
カテゴリー:週刊ランキング掲載(2)→オリジナル,カバー(2)→投稿者別(300以上)
鏡音リン、レンの発売、KAITOの台頭と初音ミク=VOCALOIDでは情報を整理しきれなくなった期間。
VOCALOIDごとに情報を整理した後、オリジナルかカバーかの判別をし、最終的に投稿者が誰かで情報を整理されてます。
結果、自分があまり聞かないVOCALOIDはランキングでカバーしようとし始めます。


■2008年2月〜5月


カテゴリー:VOCALOID別(4)→投稿者別(500以上)→オリジナル,カバー(2)
カテゴリー:週刊ランキング掲載(2)→オリジナル,カバー(2)→投稿者別(300以上)
カテゴリー:KAITO(1)→オリジナル,カバー(2)→投稿者別(20以上)
・オリジナルかカバーかの前に投稿者が誰かという点で情報が整理され始めた期間です。
投稿者の少ないKAITOでは投稿者の優先度は低くなってます。
週刊ランキングを利用して情報整理をした場合、投稿者別の優先度は低くなります。


■2008年6月〜


カテゴリー:投稿者別(1000以上)→オリジナル,カバー(2)→VOCALOID別(5)
カテゴリー:週刊ランキング掲載(2)→オリジナル,カバー(2)→投稿者別(300以上)
・投稿者が誰かで真っ先に情報整理されるようになります。
次にオリジナルかどうか、端的に言えば一次創作かどうか。
その後に使用VOCALOIDで情報整理をされてます。
VOCALOIDの優先度が下がっていると考えられ、。
これはツールとして扱われているということなのかもしれません。


投稿者が真っ先に優先されるということはどういうことかというと
必ずしもVOCALOIDを使用しなくても動画を視聴する視聴者が獲得できてきたということです。



カテゴリーの最初に来る選択肢の数が多ければ多いほど、最初から切り捨てられる数が多くなってくると考えられます。
VOCALOID5体の中から2体最初に選ぶのと作者1000人の中から400人先に選ぶのでは
割合が一緒でも情報整理するには後者の方が大変ですよね。
VOCALOID2体覚えるのと作者400人覚えるのとでは労力が違ってきます。


最初に書いたように「人間が一定の期間内で取得できる情報量にある程度の限界がある」と考えてみます。


作者が約1000人いて1人10曲(計10000曲)発表しているとします。
そのうちVOCALOID5体で1体2000曲発表だとすると、
1ヵ月に覚えられる作者数上限が30人だとした場合、カテゴリ分けをして情報整理した後出てくる曲数は300曲。
逆に作者関係なく、VOCALOID2体で情報整理した場合の曲数は4000曲。


作者数30に情報が分けられた300曲とVOCALOID2体に情報が分けられた4000曲。


1ヵ月に覚えられる曲数に上限があるとしたら、これは前者の方が1曲をより把握できますね。


まずはVOCALOIDを聞こうと思うのが前提ですが、
時間的に情報取得の期間が短いライト・ビギナー層は、先に多くの選択肢が用意されている作者という項目から選ぶことで取得できる情報量の上限を抑えているのではないでしょうか。


発表されている動画量的に作者に拘らずに曲を聞いてよというのが難しい状況なのかもしれません。